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デジタル的に人を評価することの落とし穴『デジタルリセット』秋津朗(著)感想

その男は、自分の基準にそぐわない人間を殺しては新たな土地で新たな人生を歩み始める「リセット」を繰り返していた。まるでデジタル機器を初期化するように――。

『デジタルリセット』は、第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉受賞作品。

著者は秋津あきつ朗ろう先生。

データの端数を切り捨てるがごとく、人間関係を数値化して評価し、ほんの少しでも自分の基準から逸脱したら容赦なく殺す。そんな常軌を逸したシリアルキラーが登場する作品です。

人間の狂気に焦点を当てたサイコホラーであり、怪奇現象の類は登場しません。