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ミステリーを主にさまざま文学作品をご紹介していきます

『予言の島』澤村伊智(著)感想

島で六人の人間が死ぬ――。とある霊能者が予言が残した島で連鎖する不可解な死。これは本当に呪いなのか?

身の毛もよだつ真相が待ち受ける、ホラーミステリ小説です!

澤村伊智先生の著作のうち、「比嘉姉妹シリーズ」以外の本を読んだのは本書が初めて。

文庫本帯に再読率200%と書いてあり、最初は「大袈裟なあおり文句だな」と正直思いましたが、読み終わったところで納得しました。

なるほど、確かにこれはもう一度最初から読み直して確かめたくなる……!

霊能者の残した不気味な予言、島を覆う怨霊の影、なにかを隠している島民たち。

土俗的、民俗学的ホラーであり、周到にいくつもの仕掛けが張り巡らされたミステリでもある本書。連鎖する死は人の手によるものか、それとも怨霊の仕業なのか。先が気になり過ぎて、深夜まで読み耽ってしまいました。