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【書評】リーダーシップは誰のもの?再レビュー

どんなことが書いてあるかをまとめる
以下、ざっくりしたまとめ。

リーダーシップは、みんなが発揮すべきものだよ。いままではリーダーシップって少数の資質を有した人がやる、人を引っ張る役割を持つ人が発揮するものってイメージだったけど、そうじゃないのでは? という話。それぞれがチームのなかで、それぞれの強みを生かしてチームに貢献することがリーダーシップなのだ!(この辺は研究編のほうが詳しい)
リーダーシップ教育は、そんなリーダーシップの担い手を育成する教育なので、選ばれた人のためのものではなくて、みんなのためのもの。
リーダーシップ教育は、PBLの形をとることが多いよ。PBLは、プロジェクト型学習のほうのやつね(とはいえ、問題解決型とも言えるけど)。
だいじなのは、本気でやらないといけないような課題を設定すること。事例では産学連携を用いて企業に課題を出してもらったり、具体的な状況(担任の先生にどんな食材を勧めるか?)を踏まえた課題を設定したりしていた。渋谷区の構想計画を、使ったりもしていて、こういうのはうまく使うと良さそうだと感じた。
現実感がある課題がいい。(個人的には、俗に言うパフォーマンス課題みたいな、模擬的なシチュエーションを設定する課題は好きじゃないからこれは大賛成)
とにかく課題はかっこいいやつにしよう。本気になれるような課題設定がだいじ。
振り返り(内省)を絶対しよう。できれば書かせよう。言語化させよう。様式は問わないし、簡易なもの(A6くらいの、紙切れでもいい)でいいから、ぜったいに振り返りはすること!
目標を、できれば自分でたてさせよう。でも高校生には難しいかも。
そんなわけで、ルーブリックもあるといい。とくに高校とかでは、自分で目標設定するのが難しいから、ルーブリックのかたちで提示してあげるとよい。
発表の場での評価は、かなりだいじなフィードバックになるから作って、第三者とかからの意見も積極的に入れよう。
できるだけ介入はしないほうがいいけど、放任はだめ。指導者やコーチによる適切なサポートは適宜行うこと。でも、基本はトラブルがあっても自分たちで解決させること。(そのプロセスも含めてリーダーシップ教育なのだ!)
介入の仕方は、コーチングを参考にする。要は質問ベースの介入を行うべし。
この本を読めば、どんな感じでリーダーシップ教育を導入すれば良さそうかはわかるし、先に言ったようにいくつかの事例を何度も繰り返し分析して解説するので、良書。